円高になるとなぜ不況になるの?

テレビのニュースなどでは、円高が不況の原因になっているような発言を耳にすることが多いと思います。
円高になると、海外のものは安く購入でき、海外旅行も安く行けるようになるので、我々日本人にとっては好都合のように感じます。

でも、なぜ円高が不況の原因になってしまうのでしょうか?

円高円安について

まず、円高円安について、仕組みを簡単に説明します。

まず、この2つの場合を比べて見ましょう。
・ 1ドル=100円の場合
・ 1ドル=200円の場合

この2つを比べた場合、
円高なのは ・・・ 1ドル=100円
円安なのは ・・・ 1ドル=200円
となります。

よく、円高と円安を反対に捉えてしまう人もいるのですが、
「円高 ⇒ 円の価値が高くなる ⇒ 円の価値が高いから、円を少し支払うだけでドルが買える」
「円安 ⇒ 円の価値が低くなる ⇒ 円の価値が低いから、円を多く支払わないとドルが買えない」
ということです。

お金というものがまだない時代、人は物々交換をしていましたが、それは現代社会についても似たようなことをしています。
100円を1ドルに交換するのも、「100円玉」と「1ドル紙幣」の交換です。
ですので、この円高円安を物々交換で例えてみたいと思います。

自分がりんごを持っており、りんごと馬1頭を「馬1頭=りんご150個」で交換していたとします。
そして、りんごは周りから「おいしい」と評判になれば、りんごの価値も上がります。
りんごの価値が上がれば、「りんご100個でいいので馬1頭と交換してくれないか」と話を持ちかけられるようになります。
反対に、りんごの評判が悪ければ、「馬1頭とりんごを交換したいなら、りんごは200個用意してくれないと交換しない」となります。

つまり、りんごの価値が上がるか下がるかで、馬1頭を買うために、用意しないといけないりんごの数が変わるということです。
為替についても同じで、円の価値が上がるか下がるかで、ドルを買うために用意しないといけない円の量が変わるのです。

円高になると海外のものが安く買える

円高になると、どういうメリットがあるかというと、海外のものが安く買えるようになります。

例えば、海外であるものが100ドルで売られていたとします。
これを購入するには、1ドル=200円の相場であれば2万円必要になりますが、1ドル=100円の相場であれば、半額の1万円で購入できるようになります。

海外旅行についても同じで、ホテルの宿泊費などは、円高の方が安くなります。

輸出産業は円高になると損

円高になると、海外から物を買うには得になるのですが、海外に売る場合は損になります。

例えば、トヨタや日産などが販売している車を考えてみましょう。
トヨタや日産は、日本国内の人だけに車を販売しているのではなく、海外の人に対しても販売しています。

ある車を海外に1万ドルで売っていたとします。
このとき、1ドル=200円であれば、200万円の売上になります。
ここから円高が進み、1ドル=100円になったとすると、売上は半額の100万円にまで下がってしまいます。

車1台当たりの売上を、今までと同じようにしようと思ったら、1万ドルで売るのではなく2万ドルで売れば、確かに今までと同じ売上にはなりますが、これだと海外の人にとって値段が高くついてしまうので、販売数が減ってしまいます。

トヨタの場合、円高が1円進むと年間の営業利益は350億円減少すると言われています。

円高が不況になるのはなぜ?

さて、ここまでの説明で、円高になることによって、メリットとデメリットの両方があることが分かったと思います。
円高になれば、「輸入は得」「輸出は損」です。

では、なぜ円高になることによって、不況になってしまうのかというと、日本の場合、輸入産業より輸出産業の方が活発だからです。
円高になることによって、メリットとデメリットの両方がありますが、日本経済の全体を考えるとデメリットの方が大きいのです。

円高になることによって、輸出産業の利益が縮小してしまうと、「社員の給料が減少 ⇒ 購買意欲の衰退 ⇒ 不況」へと傾いてしまうのです。