豪ドルの特徴

豪ドルは、高い金利収入が期待できる「高金利通貨」の代表格。
日本の個人投資家にも、根強い人気があります。
通貨コードは「AUD」で、「オージー」などとも呼ばれます。
「資源国通貨」でもあるため、原油高にも強いです。

人気の「高金利通貨」

豪ドルの最大の特徴は、金利の高さです。
オーストラリアの金利は、日本はもちろん、アメリカやユーロなど他の主要国・地域と比べても常に高く設定されています。
このため、投資家の間では、安定的な金利収入が得られる通貨として人気があります。
FXだけでなく、外貨預金、外債(外国債券)としてもポピュラーで、日本の個人投資家に馴染が深い通貨です。

オーストラリアの政策金利を振り返ると、1990年代から、欧州債務危機が深刻化する2009年初頭までの間で、4%を下回ったことは一度もありませんでした。
とくに、2000年代の世界的な好況期は高金利政策がとられ、2008年4月~8月には7.25%まで上昇。
日本の政策金利との格差が最大で6.75%にまで広がりました。

20年連続プラス成長

オーストラリアが高金利を続ける理由は、中央銀行である「オーストラリア準備銀行(RBA)」がインフレに対する警戒感を強く抱いているためです。
オーストラリアは1992年から2012年まで、20年にわたってプラスの経済成長を維持しており、国民の消費意欲や企業の投資意欲が旺盛です。
このため、他の先進国と比べて、物価が上昇しやすい環境にあるのです。

とはいえ、オーストラリアの金利は現在、同国としてはもっとも低い水準にあります。
中国の景気減速など受けて、RBA は2012年12月に政策金利を史上最低水準となる3%にまで引き下げました。

低い地政学リスク

豪ドルが投資先として人気が高い理由は、高金利である一方で、比較的リスクが低いとされるためです。

高金利通貨といえば、南アフリカのランドやトルコのリラなども有名ですが、これらの通貨は流動性が低いうえ、政治的にも不安定です。
これに対して、オーストラリアは国の経済規模が大きく、政治的にも安定しています。
このため、「高金利通貨のなかでも比較的リスクが低い」と認識されているのです。

さらに、オーストラリアのあるオセアニア地域はテロや戦争のリスクが低いとされており、地理的リスク回避のために豪ドルが買われることもあります。
スワップ金利を期待しつつ、カントリーリスクを嫌うFXトレーダーも、豪ドルを好みます。

しかしながら、ドルやユーロに比べて市場が小さく取引量が少ないため値動きが激しく、レバレッジをかけた取引では厳格なリスク管理が重要です。

60円~110円のレンジ

豪ドル相場は、リーマンショック前の世界的な景気拡大局面で、活況を呈しました。
オーストラリアの経済成長と金利差に着目した豪ドル買いがブームになったのです。
対円でも、2002年に60円台だった豪ドル相場は、その後上昇トレンドを続け、2007年には1豪ドル=107.81円をつけました。

しかし、豪ドルはリーマンショックに伴う金融危機で暴落。
巻き戻しの売りが一斉に入り、2008年10月24日には、史上最安値の55.02円をつけました。
その後は、少しずつ値を戻し、2012年末から2013年初めにかけての「安部円安」で90円台半ばまで上昇しました。

豪ドル・円相場は過去20年にわたって60円~110円程度のレンジで動いており、今後は100円台をうかがう展開になると予想する声もあります。

資源国通貨

オーストラリアは世界屈指の資源国で、石炭と鉄鉱石の生産で世界のトップ3に入っています。
このほか、金、原油、アルミニウム、亜鉛なども豊富です。
このため、原油相場や資源の価格が上昇すると、豪ドルも買われる傾向があります。

オーストラリアの貿易相手として取引が拡大しているのが中国です。
オーストラリアは中国と地理的にやや近いこともあり、対中国に資源を多く輸出しています。
90年代から2000年代にかけてのオーストラリアの好況を支えたのも、中国向けの輸出の増加でした。

仮に中国経済が大きく減速すれば、オーストラリア経済も打撃を受け、豪ドル売りにつながる恐れがあります。
その一方で、世界経済の本格回復により資源需要が高まった場合、豪ドルに投機資金が流入する可能性もあります。

第1火曜のRBAに注目

豪ドルを取引するうえで注目材料となるのは、豪州準備銀行(RBA)の政策金利です。
RBAの金融政策は、原則として毎月第1火曜日に決定されます。
市場の事前予想に反した決定内容になると、豪ドル相場は大きく変動します。

日本時間の午前に動く

オーストラリアのシドニー外為市場は、世界でもっとも早く開かれる市場として知られており、その値動きが注目を集めます。
日本との時差は1時間で、日本時間の早朝にシドニーでの取引が開始されます。
週末に大きなニュースが流れたあとの月曜のオセアニア市場は大きく動く可能性があるため、要注意です。
しかも、取引の流動性が低いため、予想外の大きな値動きになることがあります。

オーストラリア国内の景気指標は日本時間の午前10時ごろに発表されることが多いです。
その時間帯に豪ドル相場が大きく動くことがあります。