FXで借金ってどういう状況?

FXは、値動きの差額だけを証拠金として差し入れる取引です。
また思惑が外れてマイナス方向に動いても、ロスカットルールに沿って、証拠金の損失分が強制的に決済されますので、資金がゼロになることはあってもマイナスになることはありません───というのが原則ですが、なぜか「FXで借金を背負ってしまった」という人がいます。

なぜ、そんな状況になってしまったのでしょうか。

週末に大きく値が動いた

外為取引は、オセアニア、東京、ロンドン、ニューヨークと引継ぎながら、24時間体制で動いています。
この間、値動きは連続した線でつながっていますので、何か急激な変動があっても最悪その時点でロスカットをすれば済むわけです。

問題は、全ての市場がお休みになる週末です。
ニューヨーク市場が閉まる金曜日の夜(日本時間:土曜日朝6~7時)から、オセアニア市場が開く月曜の朝(日本時間:月曜日朝4~5時)の間に大事件が起きると、オセアニアの月曜始値が、ニューヨークの金曜終値とかけ離れた位置から始まってしまい、線がつながらなくなってしまうことがあります(これを「窓が開く」とも言います)。
このすき間にロスカットの値が入ってしまうと、想定以上のマイナスになることがありえるのです。

例を挙げてみます。
USD/JPYを90円でドル買いしました。
円安になって91円で売れば1万円のプラスですが、89円まで下がったら1万円のマイナスですので、念のため89円売りのロスカットを逆指値注文しておきました。
と、ここまでは良いのですが、そのまま週末を迎えてしまったとしましょう。

翌週オセアニア市場が開いてみたら、なんと始値は1ドル88円という円高ドル安。
ロスカットの値は89円でしたが、そこを通りすぎてしまったので、取引が再開した88円で強制決済。
よって2万円のマイナスとなり、想定以上の損失を受けてしまう─────という可能性があるのです。

システムの休止期間に大きく値が動いた

同じようなシステム休止中の変動では「システムが(故障して)休止している間に」といったケースもありえます。
システムが止まっていれば、とうぜんロスカットも発動しませんので、再開したときにはロスカット値を通り過ぎてしまい、想定外の価格で決済されてしまうかもしれないのです。

動きが急激すぎてロスカットがついていけない

取引中は連続しているはずの値動きですが、あまりに大きなニュースがあったような場合、ロスカット値をスキップして飛んでいってしまう場合があります。
また、注文が殺到し、ほとんどシステムがダウンしているような状態の時には、処理が追いつかずに約定価格が大きくズレてしまう(スリッページ)も起こります。

過去には誤入力によってありえない価格が一瞬だけ提示され、そこで強制決済されてしまったというケースもありました。

以上3つは、ほぼ不可抗力によるものですが、このようなカタチで借金を負うケースはごくまれです。
特にレバレッジが最大50倍に規制されてからは、仮に上記例のように2円のギャップが出来ても、ほぼゼロになるだけでマイナスにはならないでしょう。

借金でFXをして負けた

おそらく「FXで借金を背負ってしまった」という人の多くは、これが本当の原因です。
FXで借金を作ったのではなく、「借金でFXをした」のです。

もちろん、ほとんどの人は、はじめから借金で始めたわけではないでしょう。
本当の意味で余裕かどうかはともかく、生活費ではない「余裕資金」を使って、FX取引をスタートしたはずです。
もしかすると、順調に利益を上げていたかもしれません。

しかし自信をつけ、段々と欲が出てくると、思惑と違う方向に進んだ時に、損切りできない(失敗を認められない)という感情、現象が起こりがちです。
そうなると「いつか戻るだろう」と思いつつ、追加の証拠金を何度も投入し、そして投資用の余裕資金を使いきり、やがて生活資金や別枠の預貯金を流用し、最後は借金に手を出して───という、「良くあるパターン」に陥ってしまいます。

無理の無い取引をしよう

「借金でFXをして負けた」ケースは、笑って見ていられる人がいる一方、身につまされる人もいるはずです。
FXはリスクのある投資ですので、生活費や借金を使ってはいけません。

また、100の投資資金を100まで使ってしまうのは、投資ではなくギャンブルとも言われます。
特に、FXに使えるのはそのうち10以下が適正という意見も参考に自分ルールをつくり、「ゼッタイに」例外を作らないようにしましょう。
たった1回例外を作ってしまうのが、泥沼への一歩なのです。