一目で相場が分かる「一目均衡表」

一目均衡表(いちもくきんこうひょう)は、一目山人(本名:細田悟一)が昭和初期に開発したテクニカル分析です。
純国産ですが、欧米のトレーダーも使っていると噂される人気ツールです。

文字通り「一目(ひとめ)で相場が分かる」ことを目指していますが、解説本は全七巻に及び、本来の理論は非常に複雑で難解なものです。
一般的には結果として描かれたグラフのみを用い、「基準線と転換線」、「遅行線」、「雲」の3つを売買シグナルとして使います。

基準線と転換線

転換線が基準線を上に抜けると買い、下に抜けると売りとされます。
これは過去26日間の売買価格帯に対する、過去9日間の売買価格帯の高低を表すもので、直近の買いトレンドが強ければ、そのトレンドに乗って買いという意味になります。

また、基準線自体の傾きもトレンドを表しており、右上がりなら買い、右下がりなら売りです。
継続したトレンドには乗り続け、傾きが変化したところ=トレンドが変わったと確認できたところで利益確定し、反対の売買に乗り換えます。

・ 基準線=(過去26日間の高値+安値)÷2
・ 転換線=(過去9日間の高値+安値)÷2

遅行線

遅行線がローソク足を上回っていれば買い期間、下回っていれば売り期間とされます。
遅行線がローソク足を上回っているのは、26日前より現在の価格が高いことを示し、以前に買った人は利益が乗っている状態なのでそのまま持ち続け、売った人は損をしている状態なので何かしらの判断(買戻し)をしなければならないだろうという意味です。

・ 遅行線=(本日の終値)を26日前に表示したもの

先行スパン1と先行スパン2に挟まれたゾーンを雲と呼び、ローソク足が雲より上にあれば下値支持帯、抵抗帯より下にあれば上値支持帯として働くとされます。
また、雲の厚みはその抵抗力の強弱を示します。

雲は過去の売買価格帯を示していますので、そこに売買双方の思惑が集中していると考えます。
そして、そこを避けるようにチャートは動いていくだろうというのが、雲が抵抗帯として働く意味です。
よって抵抗を破り、いったん雲の中に入ってしまうと、売買の思惑が入り乱れ、乱高下するとされます。

また、先行スパン1と先行スパン2が入れ替わる(雲がねじれている)ところは「変化日」です。
転換日ではなく変化日なので、必ずしもトレンドが変わるという意味ではなく、トレンドが加速することもありえます。

・ 先行スパン1={(転換値+基準値)÷2}を26日先に表示したもの
・ 先行スパン2={(過去52日間の高値+安値)÷2}を26日先に表示したもの

使い方

基本的な考え方はトレンド(純張り)系ですので、買いゾーンにあるうちは買い続け、売りゾーンにあるときは売り続けることになります。
特に転換線>基準線、遅行線>ローソク足、ローソク足>雲の条件が揃うことを「三役好転」といい、強い買いシグナルです(これの逆は「三役逆転」と呼びます)。

ただし、三役好転状態の時には青天井になってしまい、出口戦略には注意が必要です。
一目均衡表のシグナルは慎重で遅いため、売りシグナルに変わったときには、既にかなり下がっているということも起こりがち。
時間・波動といった本来の概念を理解するか、他のテクニカルを併用するようにしましょう。

カスタマイズ

一目均衡表は日足用に開発されたテクニカルですので、基本的に他の足では使えませんが、パラメーターを調整することで流用も可能です。
それぞれの数字が何を意味しているか理解し、カスタマイズしてみましょう。

「26」→過去26日≒1ヶ月の開場日を示しています。
「52」→過去52日≒2ヶ月の開場日を示しています。
「9」→直近9日≒2週間の開場日を示しています。

<時間足でのカスタマイズ例>
「26」日→「24」時間に変更。1日の意味。
「52」日→「48」時間に変更。2日の意味。
「9」日→「8」時間に変更。1日24時間をニューヨーク・東京・ロンドンで3分割。

こうすることで「過去1ヶ月の値幅に対し直近2週間は」を「過去1日に対し今日の東京市場では」と読み替えることが出来るわけです。