ロスカットとは?

ロスカットとは、評価損がある一定のラインを超えた場合に、ポジションを強制的に決済してしまうことです。
自分の意思ではなく業者によって強制的に決済されるものですし、評価損が大きい段階で決済が行われるので出来ることなら体験したくないものです。

ロスカットについて

ロスカットは、損失額が出たとしても、損失額を一定の範囲内に限定させるために存在します。

現時点で評価損が大きくなっていたとしても、決済を行わない限りは、さらに拡大していく可能性があります。
ほったらかしにしておくと、顧客が預けた証拠金以上の損失額になってしまうことだってあります。
こういったことを未然に防ぐために、評価損にボーダーライン(ロスカットレベル)を設け、評価損がある一定のラインを超えてしまった場合には、それ以上膨らまないように業者側で強制的に決済してしまうのです。

また、ロスカットは顧客の意思とは関係なく強制的に行われるものなので、今後上昇することを予想してポジションを持ち続けていたとしても、ロスカットに引っかかってしまったのではその計画は台無しになります。

ロスカットを行うためのルールのことをロスカットルールというのですが、証拠金維持率が○○%を下回ると強制的に決済するというように定められています。
業者によって、証拠金維持率のパーセンテージは異なってきますし、証拠金が少ないほど(レバレッジの倍率が高いほど)ロスカットに引っかかりやすくなります。

証拠金維持率の計算方法

証拠金維持率とは、証拠金がどのくらい維持出来ているかを示しているものです。

例えば、証拠金を20万円入金し、取引を始めたとしましょう。
この時点では、まだ何も為替は変動していませんので、証拠金維持率は100%です。
※買値と売値の差(スプレッド)は考慮しないものとします。

次に、為替が変動し、今決済すると15万円になるとします。(5万円の評価損)
すると、20万円だった証拠金が、今では15万円の価値だということになるので、
証拠金維持率は、15万円 ÷ 20万円 = 0.75(75%) となります。

証拠金維持率を計算式で表すと、次のようになります。

証拠金維持率 = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金
※有効証拠金 = 入金した証拠金 + 評価損益金
※必要証拠金 = ポジションを建てる際に必要な証拠金

<例>
・証拠金20万円を入金・レバレッジ5倍・1万ドル(1ドル=100円)を購入
有効証拠金 = 20万円
必要証拠金 = 20万円
証拠金維持率 = 20万円 ÷ 20万円 = 1(100%)



・1ドル=105円に上昇
有効証拠金 = 20万円 + 5万円 = 25万円
必要証拠金 = 20万円
証拠金維持率 = 25万円 ÷ 20万円 = 1.25(125%)



・1ドル=95円に下降
有効証拠金 = 20万円 - 5万円 = 15万円
必要証拠金 = 20万円
証拠金維持率 = 15万円 ÷ 20万円 = 0.75(75%)



・証拠金10万円を追加入金
有効証拠金 = (20万円 + 10万円) - 5万円 = 25万円
必要証拠金 = 20万円
証拠金維持率 = 25万円 ÷ 20万円 = 1.25(125%)

マージンコールとの違い

マージンコールもロスカットと同じでポジションを持ってから、証拠金維持率がある一定のラインを下回った場合に稼動するものです。

ロスカットと違う点としては、ロスカットの場合は即決済ですがマージンコールの場合はまずは通知のみです。
そして、証拠金維持率を増やすために、証拠金の追加入金かポジションの一部決済を求めます。
もし、翌日までに何もしなければ、決済されます。
決済のされ方もロスカットと違うのですが、ポジションは全て決済されるのではなく、証拠金維持率が回復できる分だけのポジションが決済されます。

ロスカットは最終的な決済手段であるのに対し、マージンコールはその一歩手前の警告と言えるでしょう。
証拠金維持率は、ロスカットよりも高めに設定されているので、評価損が膨らんでいる場合は、ロスカットよりも先にマージンコールに引っかかります。

なお、ほとんどの業者がロスカットルールを設けていますが、マージンコールは設けていないところも多いです。

逆指値注文(ストップ注文)との違い

ロスカットは、業者側が決めた設定値で稼動するものです。
顧客が自由に指定できるものではありません。
証拠金維持率を選べるという会社はありますが、あらかじめ用意されている中から選ぶだけなので、自由に設定できるわけではありません。

ロスカットでは顧客が指定することは出来ませんが、似たようなものとして、逆指値注文(ストップ注文)を出すことによって、自分で損失額を指定することが出来ます。
逆指値注文を出すことによって、いくら以下(以上)になったら売る(買う)ということが指定できます。
ロスカットは業者によって指定されているものに対し、逆指値注文は自分で指定するものです。

為替が自分の予想とは反対に動く可能性というのは、常にあるのでリスク回避のためにも、逆指値価格は指定しておいたほうがいいでしょう。
人それぞれ、「損失額はいくらまでなら我慢できる」というボーダーラインは違うと思います。
業者任せのボーダーラインではなく、自分の意思でボーダーラインを決めておきましょう。