NZドルの特徴

ニュージーランド(NZ)ドルは高金利通貨として人気の高い通貨です。
通貨コードは、NZD。
ニュージーランドに生息している鳥にちなみ、「キウイ(Kiwi)」との愛称がついています。
豪ドルとともにオセアニア通貨と呼ばれ、豪ドルとの連動性が高いのが特徴です。
FXで取引される通貨のなかでは、比較的少ない金額で取引できます。

高金利通貨

NZドルの一番の特徴は金利の高さです。
NZは1980年代に高いインフレ率に悩まされた経験をふまえ、1990年に世界の国々に先駆けて「インフレ・ターゲット」を採用。
物価安定のために金利を高めに設定してきました。
隣国のオーストラリア(豪州)よりも高金利となる傾向が強く、安定的な金利収入が期待できる外貨の一つとして、人気があります。

円キャリートレードで脚光

NZドルが高金利な投資先として脚光を浴びたのは2000年以降です。
NZの政策金利は2002年から段階的に引き上げられ、2007年には8.25%まで上昇。
当時、金利が0.5%だった日本との格差が7.75%にまで広がりました。
金利上昇に伴い、円キャリートレードの対象としてNZドルが積極的に買われ、とりわけ「スワップ派」と呼ばれるFXトレーダーから人気を集めました。

09年からは豪ドルの金利を下回る

しかし、2008年9月のリーマンショック以降は、金利が急下降。
2009年1月には3.5%まで引き下げられ、豪州の金利(4.25%)を下回りました。
さらに、2.5%にまで下落。
いったん3%に引き上げられたものの、2011年3月からは再び2.5%となっており、豪州よりも低金利の状況が続いています。

40円台~90円台がレンジ

NZドルの相場を過去20年の長期スパンで振り返ってみると、対円で1NZドル=40、50程度~90円程度がレンジとなっています。
最安値は2000年10月に記録した1NZドル=41円97銭。
高値は2007年7月につけた97円80銭です。
FXで取引される他の通貨と比べて、レンジの幅が広く、短期間での値動きが激しいのが特徴です。

リーマンショック後のNZドルの下落は著しいものがありましたが、2009年からは上昇基調に転じており、「アベノミクス」を材料にした2013年初めの円安局面では、1NZドル=70円台後半にまで回復しました。

豪ドルと連動

NZドルは、豪ドル相場との連動性がたいへん高いです。
これは、NZ経済が、隣国の豪州経済の影響を受けやすいためです。
ニュージーランドの貿易額は長年豪州がトップで、とりわけ輸出先としては豪州が20%以上を占めています。

農産物市況の影響

ニュージーランドは豪州ほどの鉱物資源を持っていません。
しかし、NZドルは、豪州ドルにつられる形で、金や石油などの資源価格の影響を受けやすいです。
また、ニュージーランドの主な産業は畜産農林業であるため、農産物市況が上昇すると、NZドルも買われやすくなります。

RBNZの政策に注目

ニュージーランドは金融市場規模が小さいため、巨額な資金が一時的に流出すると、NZドル相場も大きく変動することがあります。
NZドルに投資するうえで注目したいのは、月1回行われるニュージーランド準備銀行(RBNZ)の政策発表です。
事前予想に反する内容の金融政策が発表されると、NZドルの値動きが荒くなることがあります。

中国の景気動向に要注意

ニュージーランドはかつてイギリスの植民地でした。
このため「英国の海外農園」として農産物輸出が盛んになり、豊かな経済の下で高い生活水準を享受してきました。
しかし、イギリスがEUに加盟してユーロ圏に組み入れられるなかで、イギリスとの関係は薄れ、豪州、日本、米国という太平洋圏との経済的深まりを強めてきました。
2000年代に入ってからは、中国との経済関係が深くなります。
現在、ニュージーランドの輸出先は中国が豪州に次いで2位。
輸入では、中国が豪州を抜いてトップとなっています。

今後、中国の景気減速が顕著になった場合は、NZドル相場にも少なからぬ影響があると考えられています。

国債の格下げ

ニュージーランドはかつて健全な財政を誇る優等生とされていました。
しかし、リーマンショック以降の景気悪化と2011年2月のカンタベリー地震により、財政状況は悪化。
格付け会社のS&P(スタンダード&プアーズ)社は2011年9月、長期国債格付けを最上級の「AAA」から「AA+」に引き下げ、さらに同年11月には「AA」としました。
「AA」は日本より1ランク上、アメリカやオーストラリアよりワンランク下となります。
さらに、財政が悪化すれば、NZドルの売り圧力が強まる可能性があります。

静岡県並みのGDP

ニュージーランドの国内総生産は、約2000億NZドル。
オーストラリアの7分の1で、日本でいえば静岡県と同じくらいの規模です。
FXで一般的に通貨が取引されている国の中では、もっとも経済規模が小さい国の一つです。
このため、FXをする際にNZドルだけに集中した投資を行うのは、リスク管理の面から賢明ではないという指摘もあります。

ウェリントン市場

NZドルが活発に取引されているウェリントン市場は、日本よりも3時間(サマータイムの間は4時間)早く取引が始まります。
ウェリントン市場だけが開いている時間帯を狙って投機筋が積極的な売買を仕掛けてくることもあり、注意が必要です。